このページでは、freee人事労務での年末調整~freee申告での法定調書作成、電子申告までの流れをご案内します。
大まかな流れは以下のようになります。
基本的にfreee人事労務、freee会計のデータはfreee申告に連携されるため、二重転記等が発生せず効率的に業務を行うことが可能です
1.freee人事労務で年末調整に必要な設定を行う
1-1.マイナンバーの管理者を確認・設定する
1-2.年末調整の基本情報を設定する
1-2-1.還付・追加徴収の設定
1-2-2.事業所情報の設定
2.freee人事労務で年末調整作業を行う
2-1.従業員ごとの申告内容を入力する
2-2.従業員の申告内容を確定する
2-3.年末調整の計算結果を確認する
3.freee申告で支払調書・法定調書等を作成する
3-1.freee申告領域に移る前の注意点
3-2.対応帳票について
3-3.freee申告の初期設定を行う
3-4.支払調書を作成する
3-4-1.支払調書を作成するための準備を行う
3-4-2.作成する支払調書を追加する
3-4-3.支払調書を編集する
5.電子申告送信・結果確認を行う
5-1.電子申告の準備を行う
5-2.電子申告を行う
5-3.電子申告送信結果の確認をする
7.会計事務所に依頼せずに自社で年末調整書類を電子申告する場合と会計事務所が代理申告する場合の違い
8.freee人事労務をご利用されていない年一の年末調整・法定調書業務について
1.freee人事労務で年末調整に必要な設定を行う
最初に、年末調整に必要なマイナンバー管理者の設定や、年末調整の初期設定を行います。
年末調整に関するメニューは、freee人事労務上のメニューバー「年末調整」にまとまっています。
1-1.マイナンバーの管理者を確認・設定する
年末調整を行うには、freee人事労務の管理者が、同時にfreeeマイナンバー管理の管理者である必要があります。
上の画面のように「freeeマイナンバー管理の設定をする必要があります」とアラートが表示されている場合は、freeeマイナンバー管理に遷移し、権限の設定を行います。
freeeマイナンバー管理上での操作については、こちらのページをご参照ください。
1-2.年末調整の基本情報を設定する
年末調整を行うには、「還付・追加徴収の設定」と「事業所情報の設定」が必要です。
1-2-1.還付・追加徴収の設定
還付・追加徴収の方法
年末調整で算出した所得税の過不足金額の精算方法を選択します。(通常は、年末〜年始の給与明細か賞与明細に反映します。)
現金を手渡しする場合や2月以降の給与明細に反映させる場合は「明細に反映しない」を選択します。
還付・追加徴収する月
年末調整で算出した所得税の過不足金額を何月に精算するのかを選択します。
1-2-2.事業所情報の設定
次に、事業所情報の設定を行います。
こちらで入力した内容は提出書類に反映するため、年末調整を行う年度の1月1日時点での情報を入力してください。(2020年度の年末調整の場合は2020年1月1日時点での情報)
各項目における詳細は、こちらのページをご参照ください。
2.freee人事労務で年末調整作業を行う
初期設定が完了したら、年末調整のために必要な申告内容の入力を進めます。
2-1.従業員ごとに申告内容を入力する
年末調整画面にて、入力したい従業員の氏名を選択することで本人情報を入力、編集することが可能です。
氏名を選択すると以下の画面のように従業員の情報を入力する画面が表示されますので、各項目に入力していきます。
また、入力はfreee人事労務の管理者が行う他に、ベーシック以上のプランをご利用の場合は顧問先の従業員に直接入力してもらうことも可能です。
従業員へ入力を依頼する方法はこちらからご確認ください。
2-2.従業員の申告内容を確定する
入力が完了した従業員は、年末調整の一覧画面で「管理者確認中」となります。
入力内容を確認し、問題なければ「確認完了」を選択することで内容が確定されます。
申告内容を確定すると、各従業員の詳細画面右上の「還付・追徴の反映」を選択できるようになります。
2-3.年末調整の計算結果を確認する
各従業員の情報確認画面を入力することで 「計算結果」タブ内で各計算結果と内訳が確認できるようになります。
年末調整の結果、還付・追徴額が「差し引き税額」に表示されます。
このタイミングで、昨年の年末調整結果と比較して違和感が無いか確認しておくことがおすすめです。
3.freee申告で支払調書・法定調書等を作成する
freee人事労務で年末調整が完了したら、freee申告での作業に移ります。
年末調整の一覧画面右上「電子申告」からfreee申告に遷移することができます。
または、税目選択画面から遷移することも可能です。
他の税目への切替も容易にできるため、こちらの画面はブックマークしておくことをおすすめしています。
3-1.freee申告領域に移る前の注意点
給与支払報告書の提出先・人数の設定
freee人事労務上で従業員の郵便番号や住所が正しく登録されていない場合、給与支払い報告書の提出先や人数が正しく表示されず、freee申告側で電子申告する際にエラーが出てしまうため、freee申告での作業を始める前に必ず確認しましょう。
年末調整一覧画面の「書類一括出力」をクリックし、表示される画面で「給与支払報告書」を選択します。
「提出先の市区町村一覧」が開きますので、提出先の市区町村をクリックし、正しい提出先と人数が設定されているかを確認します。
退職者の処理
退職者の源泉徴収票をfreee申告に反映させる場合、freee人事労務で「退職者源泉徴収票の確定処理」を行う必要があります。
詳しい操作方法はこちらのヘルプページをご確認ください。
3-2.対応帳票について
現在の対応帳票の一覧は、以下のページよりご確認ください。
3-3.freee申告の初期設定を行う
freee申告に遷移したら、最初に初期設定を行いましょう。
事業所の設定
メニュー「基本情報」を開くと「基本情報」「申告情報」「税理士情報」の3つのタブが表示されますので、設定したい内容に応じてタブを選択し、設定を行います。
スキップし後から登録も可能ですが、基本情報が正しく入っていないと電子申告の際にエラーが出てしまうので、ご注意ください。
作成する申告書の選択
事業所の設定が完了したら、メニュー「申告書作成」→「+申告書を選択する」から作成する帳票の選択を行います。
年末調整関連の書類は最初からチェックが入っていますが、支払調書など他の書類は手動で選択します。
3-4.支払調書を作成する
3-4-1.支払調書を作成するための準備を行う
freee会計をご利用の場合、支払調書の対象となる支払いについてfreee会計の取引に「取引先タグ」を付与しておくことで、支払調書の作成に必要な情報を効率的に集計することができます。
詳しい操作方法はこちらのページをご参照ください。
3-4-2.作成する支払調書を追加する
メニュー「申告書作成」→「+申告書を選択する」→「支払調書関連」タブを開き、該当する支払調書にチェックを入れ作成します。
※現在freeeが対応している支払調書は現時点で以下画面の4種類です。退職所得の源泉徴収票や配当金等の支払調書は未対応となりますので、ご注意ください。
「freee会計との連携」ボタンをクリックすると、デフォルトで設定された勘定科目についてfreee会計の仕訳データを連携することができます。
支払調書に集計すべき勘定科目は事務所ごと、また顧問先ごとにも異なりますので、必要に応じて連携設定を変更します。
連携設定の変更方法はこちらの記事でご確認ください。
連携された取引先から、支払調書を提出すべき取引先をチェックボックスで選択し、最後に「閉じる」をクリックすると支払調書が追加されます。
3-4-3.支払調書を編集する
追加した支払調書の仕上げを行います。
申告書作成画面から先ほど追加した支払調書をクリックし、編集画面を開きます。
区分・細目等、画面を直接クリックし、必要事項を入力していきます。
支払い金額や源泉徴収税額は、freee会計との連携設定が正しくできていればfreee会計に計上されている金額が暦年ベースで取得されますので編集する必要がありません。
取引先タグがうまく付与されていない場合など、正しい金額が集計されていない金額を直接編集します。
最後に、画面上部の「電子申告対象の設定」から、該当の支払調書が申告対象であるかどうかを選択します。
3-5.法定調書合計表を作成する
次に、法定調書合計表の作成に移ります。
ほとんどの項目は別の帳票から自動連携していますので、連携内容を確認します。
給与関連の項目は、源泉徴収票等の提出対象が自動で反映されます。
また、freee申告側で一切直接編集ができないため、修正が必要な場合、freee人事労務に戻って修正を行います。
freee人事労務で修正をした場合は再連携が必要となりますので、ご注意ください。
4.作成した帳票を出力する
作成した帳票は、申告書作成画面下部の「PDF出力」から出力できます。
個別での出力の他、プルダウンから「一括選択」を選択すると一括出力することも可能です。
申告書等の帳票以外にも、年末調整結果を一覧記載した「年末調整データ一覧表」や、従業員通知用の「年末調整通知書」の出力もこちらで行います。
このような管理表は、freee人事労務では出力できず、freee申告でのみ出力に対応しています。
5.電子申告送信・結果確認を行う
電子申告は、メニューバー「電子申告」→「電子申告送信」から行います。
国税への提出書類、源泉所得税徴収高計算書、市町村への提出書類が同じ画面から電子申告送信可能です。
5-1.電子申告の準備を行う
国税
「申告対象の帳票を確認」から、電子申告する帳票を確認します。
ここで不足があった場合、申告対象・申告対象外の設定が正しくできていない可能性があるため、帳票に戻って確認します。
同様に、「源泉徴収票の提出対象従業員を確認」で申告対象者を確認します。
こちらは対象者が自動判定されますすが、念のため確認を行います。
最後に「送信チェック」を押し、エラーがなければ電子申告できる状態となります。
所得税徴収高計算書
「原則」と「特例」両方の電子申告に対応しています。
国税と同様に、申告対象の帳票や送信チェックを行います。
また、所得税徴収高計算書については、年末調整の時期以外でも作成することが可能です。
所得税徴収高計算書のみを作成する場合は以下の流れで対応します。
- freee人事労務で給与明細を確定します。
- freee人事労務>書類>所得税徴収高計算書を開き、金額を確認します。
- 税目選択メニュー>年調・法定調書を開きます。
- 所得税徴収高計算書の「連携」>給与情報を連携します。(税理士等の報酬は手入力給与情報も手入力可能)
- 電子申告・PDF出力を行います。
- 電子納税情報の発行(freee申告ではできず、e-taxソフトで実施します。)
市町村民税
こちらも同様に、提出する申告書を確認します。
住民税額決定通知書の受取方法を書面とメールで選択できますので、チェックを入れます。
次に申告先の確認では、eLtaxの申告先届出状況を確認します。
この時点で未提出の市町村があった場合、freee申告の画面上で申告先の届け出を行うことができます。
5-2.電子申告を行う
送信チェックが完了したら、電子申告データを送信することができます。
電子申告は1事業所ごとの個別送信のみではなく、複数事業所まとめて行うことも可能です。
電子申告の詳しい操作方法は、こちらの記事をご参照ください。
5-3.電子申告送信結果の確認をする
freee申告で電子申告した結果は、freee申告メニュー上の「電子申告」→「電子申告一覧」からご確認いただけます。
6.会計事務所に依頼せずに自社で年末調整書類を電子申告する場合と会計事務所が代理申告する場合の違い
会計事務所に依頼せずに、自社で年末調整業務を実施している場合、エンドユーザー企業が自社で電子申告まで実施するためには、freee人事労務のベーシックプラン以上の契約が必要となります。(この場合、freee申告の年末調整電子申告機能が自動で付帯されます)
対して、アドバイザーが代理申告する場合、freee人事労務はどのプランでも問題ありませんのでご安心ください。
アドバイザーは別途freee申告の契約が必要となります。
7.freee人事労務をご利用されていない年一回の年末調整・法定調書業務について
freee申告はfreee人事労務からの連携を前提とした作りとなっているため、直接freee申告へ直接手入力して法定調書書類を作成することができません。そのため、freee人事労務へ情報をインポートしご対応いただく必要があります。
大まかな流れは以下の通りです。
- freee人事労務に従業員情報と給与情報をインポート
- インポート後に、給与明細と年末調整を確定させる
- 上記をfreee申告に連携し、法定調書書類の作成・電子申告を実施
詳細な手順はこちらの記事をご参照ください。
8.年末調整の電子化へのfreeeの対応状況について
申請をすることで電子保存が可能な書類や手続について
こちらの申請書類を税務署に提出することでマルフ等の申告書類の紙出力や保存が不要となります。(freee人事労務は、従来より国税庁が指定している年末調整システムの要件は満たしております。)
控除証明書の電子発行について
こちらは国税庁が2020年度からリリースした「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」で提供されております。
2020年11月時点では上記の年調ソフトや、マイナポータルとの連携経由でのfreee人事労務へのインポートは未対応のため、控除証明書類は引き続き原本回収と保管が必要となります。
freeeで行う年末調整・法定調書に関しては、ウェブセミナーの動画と資料もございます
ので、ぜひこちらもご覧ください。
【研修会動画】20201109開催_会計事務所向け20年調・法定調書機能解説セミナー
監修者紹介
監修:竹市会計事務所 竹市真由香(税理士・MBA)
慶應義塾大学経済学部卒。昭和44年創業、老舗会計事務所の3代目税理士。自所内業務にfreeeを導入し、2年間でおよそ100%の業務置き換えを達成。クラウド会計専門税理士として、中小企業のデジタル変革をサポートするほか、各種セミナーや執筆活動にも取り組んでいる。
HP: https://takeichi-zei.com/
Twitter: https://twitter.com/mayuca317
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