Step.1では、主にfreee会計を使い始めたばかりのアドバイザーのみなさまに向けて、記帳から申告まで、基本的な会計ソフトとしてのfreeeの使い方を学習いただきました。
Step.2ではさらにfreeeを活用いただくために、経理領域も含めたfreeeの使い方を「基本概念編」「初期設定編」「経費精算編」「請求管理編」「債権債務編」の5つの項目に分けて解説してまいります。
「基本概念編」では、経理領域の学習に進む前に、改めてfreee会計の基本的な設計を理解しましょう。
業務逼迫を引き起こす原因
業務の逼迫を引き起こしてしまう原因は、様々なツール(書類・業務システムなど)に入力(転記)作業を繰り返して行うことにあります。
請求・債権管理のプロセスを例に考えてみると、下図のように「請求システムより請求書を作成し印刷→債権管理を行うためにエクセルに転記→会計ソフトへ記帳」と様々なツールに対し多くの転記作業が発生しています。
このような作業を減らし業務を効率化していくには、下記2つの対策が必要になります。
- 多重入力作業が必要となるツール自体を減らす
- 紙やツールへの入力・転記作業を減らす
管理しなければならないツール自体を削減することで、人が介在する作業を減らすことができます。人が介在する作業とは、入力・転記作業だけに留まりません。ツールが乱立することで、各ツールのメンテナンス作業やシステム間の残高確認作業など多くの作業が付随して発生します。
また、人が介在することでミスやモレが発生するため、ヒューマンエラーを防止するためのチェック作業もツール数に比例し増大してしまいます。
このように、業務ツール数の増加に従ってそれに関連する作業も増えてしまいます。転記作業だけでなく、チェック作業・メンテナンス作業・コミュニケーション工数を削減していくには、業務ツールの見直しが重要となります。業務ツール見直しこそ業務逼迫解消の第一歩となるのです。
業務効率化をもたらすfreeeのテクノロジー
業務効率化には「多重入力作業が必要となるツール自体を減らす」ことと「紙やツールへの入力・転記作業を減らす」ことが重要です。
それを実現するためにfreeeは、電子データをそのまま取り込み転記作業自体をなくす「自動取得・自動仕訳」の機能。そして、あらゆる業務を1つのシステムに集約し、従業員全員で入力したデータが一切の転記なく会計までつながる「ERP」の機能を提供しています。
freeeは「自動取得・自動仕訳」と「ERP」という2つのテクノロジーを用いることで、業務効率化の実施を図っております。その具体的な機能概要について、次頁にて解説いたします。
freee 自動取得・自動仕訳機能
自動取得機能
freeeは電子データをそのまま取得し仕訳化するために、預金やクレジットカードの明細を始め、業務システムのデータなど、3,800以上のサービスと連携しております。また、自動連携ができないサービスやシステムをお使いの場合でも、自動連携の開発を容易に実施頂けるようにfreee APIの仕様をWeb上(https://developer.freee.co.jp/)で公開しております。
自動仕訳機能
自動取得された明細(預金・クレジットカード・電子マネー等)は「自動で経理」機能を通し仕訳になります。下図の通り、「自動で経理」には明細の摘要から勘定科目や消込を推測する機能が実装されており、担当者はfreeeが推測した仕訳が正しいか否かを確認・修正頂くのみとなります。
登録した仕訳は「自動登録ルール」としてパターンが蓄積されます。蓄積されたルールを適宜メンテナンス頂くことで、ほとんどの定型的な明細の登録を自動化して頂くことが可能になります。
freee ERPを支える設計
ERPとは
ERPとはEnterprise Resource Planningの略であり、企業 (Enterprise) が保持している様々な資産 (Resource) を全体的に管理し、経営に役立てる (Planning) ための手法・概念のことをいいます。
ERPが生み出される以前、財務会計・販売管理・人材管理・債権債務管理などの業務システムは各部門・各業務プロセス単位で乱立し、それらのシステム間の情報連携を人力で対応していました。システムが断絶しているが故に人手がかかり、経営状況可視化の遅延も発生していたのです。
これらの課題を解決するため「あらゆる業務を1つのシステムに統合」し「一度入力したデータは二度と入力し直さない仕組み」によって「業務効率化と経営状況の早期可視化を実施」するERPという概念が提唱され、ERPを実現するシステムとしてERPパッケージが生み出されました。
freeeの業務効率化と経営可視化を支える設計
前述の通り業務効率化と早期経営状況可視化を実施するためには下記2点の対応が必要となります。
A.あらゆる業務を1つのシステムに統合
B.一度入力したデータは二度と入力し直さない
freeeはAの「あらゆる業務を1つのシステムに統合」の点では、会計から債権債務管理、ワークフロー、HR領域まであらゆるバックオフィス業務を統合した「ERP」の仕組みを提供しています。
また、Bの「一度入力したデータは二度と入力し直さない」の点では、freeeは下記3つの仕組みをシステム設計の基礎としています。
① マスタの一元管理 :業務で利用するマスタの登録・参照・更新先を1つに集約し管理
② 発生源入力 :取引の発生時に取引の当事者がデータ入力を行う
③ シングルインプット:一度入力したデータが再入力不要でその後の業務に利用される
この3つの観点はERPをシステムで実現するために必要不可欠な仕組みになります。
例えば、「経費精算を行う際、ミスなく部門や科目を入力し(①マスタの一元管理 & ②発生源入力)、その申請時に入力した内容が会計システムにそのまま使われる(③ シングルインプット)」や「営業が発行した請求データ(①マスタの一元管理 & ②発生源入力)が会計システムにそのまま使われる(③ シングルインプット)」といったように、「①マスタの一元管理」「②発生源入力」「③シングルインプット」の3つの仕組みを用いることで、会計データと業務の流れを一致させることができるのです。
本記事はfreee活用ガイドブックより、一部抜粋した内容を記載しております。
freee活用ガイドブック全体をご覧になりたい場合は、こちらのページよりダウンロードいただけます。
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